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税金の滞納で差し押さえられた生命保険を解約されないためにやるべきこと 

 

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私は税金を徴収する部門で、税金を滞納している人に対して、催告や差し押さえ、捜索をする仕事をしています。

 

税金を滞納していると、銀行の口座に入っている預金や、給料が差し押さえされてしまうことは広く知られていると思います。 

 

ですが、生命保険も差し押さえることができるのはあまり知られていないのではないでしょうか。 

 

生命保険を差し押さえると聞くと、「じゃあ、死んでも保険が下りないの?」という発想になると思いますが、そうではありません。 

 

生命保険を差し押さえるといっても、死亡保険金などの保険金そのものを差し押さえるわけではなく、「解約返戻金」を差し押さえるのです。 

 

簡単にいってしまうと、「積み立てた金額を受け取る権利」を差し押さえられることになります。 

 

かといって、税金が未納のまま生命保険が差し押さえられてしまうと、役所側で強制的に解約をされる可能性があります。 

 

差し押さえされた生命保険が解約されないためにするべきことをまとめました。 

 

 

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滞納税金を全額納付する 

税金の法律では、滞納税金がある場合は、差押えをしなければならないということになっています。

 

反対に、税金が全額納付されたら、必ず差し押さえを解除しなければなりません。 

 

ということで、税金滞納のため差押えされた場合には、税金を全額納付すれば、すぐに差押え解除になります。 

 

・・といっても、すぐに支払うことができるお金を持っていないから税金を滞納してしまっているという人が大半だと思います。 

 

そこで、納付するためのお金の作り方は、保険会社から借入をすることがおすすめです。 

 

保険を担保に借り入れすることができないか保険会社に確認する 

生命保険に加入している場合、解約返戻金の概ね8割程度の金額を借りることができます。 

 

滞納している方で、よくある話なのですが、生命保険に加入してから 10年以上経過していて、掛け捨てだと思っていたら、 解約返戻金が100万円以上あって驚いた…という よ うなパターン。 

 

生命保険なんて解約しても 1円にもならないと思っている人って結構多いんです。 

 

だから、 私はよく

「10年以上生命保険に加入しているのであれば、 保険会社に問い合わせ て、戻ってくるお金を確認してもらった方がいいと思いますよ。」 

と伝えています。 

 

生命保険の差押えは、預金などと違って、保険会社と文書でやり取りするため、現金化するのに少し手間がかかります。 

 

そのため、滞納している税額を満たすくらいの解約返戻金が残ってなければ差押えをしない場合が多いです。 

 

自分でも思いもよらないくらいの解約返戻金が残っている可能性が高いので、その中から借入を起こすため、保険会社に連絡してみましよう。 

 

ただし、差押えが入っていると、借入をすることができない保険会社もあるため、要確認です。 

 

介入権を行使する 

「介入権」とは、解約返戻金相当額の税金を納めることで、差押えが解除になるという制度になります。 

 

たとえば、税金の滞納金額が100万円だったとして、生命保険の解約返戻金が50万円しかなかった場合。 

 

この場合は、100万円全額納めなくても、50万円を納付すれば、差押えを解除することができるようになるということです。 

 

じゃあ、残りはどうするのかというと

 

一つは、分割納付で少しずつ納めていくか、若しくは、まったく財産がなくなって生活も困窮しているということであれば、税金を免除する可能性も出てきます。 

 

お金を集めたけど、滞納金額の全額は用意できなかったという人には、介入権を行使して差押えを解除させることを勧めています。 

 

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相談に行き、分割納付をしてもらう 

保険会社からの借り入れもできず、介入権を行使するための金額も用意できなかった場合は、まず役所に相談に行って、分割納付にしてもらいましょう。 

 

相談に行く際には、注意してほしいのですが、なるべく短期間で完納となるような納付計画を事前に考えておくことです。 

 

目安としては、1年以内の計画で、やむを得ない事情があるのであれば、2年を目途に計画を立てましよう。 

 

税金の法律上、どうしても納付できない人のために猶予制度が存在しています。 

 

一定の条件に当てはまれば、原則は1年、最長2年間は差押えされている生命保険を解約することを待ってもらうことができます。 

 

差し押さえ自体は入ったままになっているのですが、1年ないしは2年後、税金がすべて払い終わった時に差押えが解除になります。 

 

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まったく納付ができない場合は現状を説明するしかない 

分割納付でもまったく納付ができず、日々の生活にも厳しい場合や、なんらかの理由があって生命保険契約を継続することが生活において必要となってくる場合は、その事情を役所に詳細に説明しましょう。 

 

差し押さえされた生命保険を解約することによって、その生活を過度に圧迫させるような場合は、役所側の判断で、税金を免除される可能性があるからです。 

 

たとえば、高齢で重度の病気を患っているため保険金の給付を受けている最中であり、保険契約を解約されると、生活が破たんするような人はこれに当たると思います。 

 

役所側も、税金を滞納している人の生活状況をすべて把握して差押えをしているわけでもありません。

むしろ、連絡もなにもなくて一切状況がわからないからとりあえず差押えせざるを得ないということの方が多いです。 

 

そのため、差押えされた後に、「やっぱりこの差押えを続けたら生活できなくなるな」という場合には差押えを解除して滞納者の生活を保護しなければなりません。 

 

差し押さえは、滞納整理の終わりではなく、始まりである場合が多いので、相談の内容次第で結局差押えも解除し、税金も免除になったというケースもあります。 

 

税金の滞納で差し押さえされた生命保険を解約されないためにやることまとめ 

  • 税金を納められるのであれば、全額納付すれば終わり 
  • 納付資金がないときは、保険会社に借入できるか確認 
  • 全額納付できなくても、介入権を行使すれば少額の納付で済むこともある 
  • 借入できなければ、分割納付の相談をしてみよう 
  • 納付計画は、基本は1年、最長2年で 
  • 生命保険が生活に必要であれば税金が免除される可能性も

 

 

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